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カテゴリ「散文」に属する投稿4件]

今日は衛藤桐也くんのお誕生日なんですよ。
ものすっごいひさしぶりに桐香穂を書きたくなって、数日前からあれこれ考えていたはずなのに、結局ギリギリになってから書く始末w
とても短いけど、わたしは桐也と香穂子ちゃんがいつだって幸せであると思っているよ!

✂┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈✂

「衛藤くんっ!」
 大きな声で名前を呼ばれる。声で、それが誰か、なんてことはすぐにわかる。
 わかっているからこそ、桐也はゆっくりと振り返る。
 振り返った先、目の前には息を切らし、肩で息をし、バイオリンケースを抱きしめている香穂子の姿。
 彼女は息も切れ切れにしながら、言葉を紡ぐ。
「……っ、きょっ、誕生日って、聞いたんですけどっ!」
「あー……うん。そう」
 誰から聞いたか、なんてことを問いただすまでもないことは明白なので、桐也は肯定の言葉だけを述べる。
「お祝い、させてよっ!」
 そう言うなり香穂子は桐也の腕を握りしめる、というよりも掴んでくる。
「おいしいケーキ屋さんがあるの!」
 端的にケーキ屋があるとだけ言葉にし、香穂子は桐也の腕を掴んで歩きだす。

―了―
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散文

新しく作ったちょぎにゃんプロット。
起承転結の起だけ。

これに手を出す前に、強気受南くんを書き上げて!という話ではある。
全然書いてないから、まったく進んでないのが現状です。
発行目標は春コミなんですけどね……。

発行目標は春コミですが、春コミには出ないです。
締切がないとやらない人間だから、明確な日程を決めているだけです。


破壊寸前までいった南泉
手入れで回復はしたが当面の休養を言いつけられる
南泉は休養の条件をだす
ひとつは戻るまで他の一文字とは絶対に会わないこと
ひとつは退屈しのぎに山姥切長義も付き合わせること畳む

散文

ちまちまと書いている、強気受南くん(襲い受にも近いかもしれない)の、ちょぎにゃん。
きちんと書き上げて本になるといいね!


「よう、山姥切。出陣お疲れさん」
 先に本丸に戻ってきていたのは、南泉の部隊。あとから本丸に戻ってきたのは、長義の部隊だ。
「猫殺しくん……と、姫鶴一文字」
「ん。南くん、おれ先戻るから、あとよろしくね」
「わかったにゃっ!」
 姫鶴は手をひらひらとさせることでそれを挨拶とし、振り返ることもせず本丸邸へと向かっていく。
 同様に長義の部隊にいた刀たちも諸々の確認を終えるなり先に戻っていると告げて行ってしまう。
 南泉と長義は同じ所蔵元なこともあるからか、周りもなにかと気を回すことが多い。確実になにかをわかっていての気の回されかたをするときもあるが、そこは触れてこないものをあえて触れることはしない。
 つまりは、そういうことだ。

「猫殺しくんは遠征だったのか?」
「そっ。次の出陣に向けた、調査遠征」
「だから君たちはきれいなままなわけだ」
「お前はきれいな顔に傷付けてきたな」
 長義の顎下には、明らかな切り傷ができている。その部分を南泉は躊躇いなく指先で触れる。
「かすり傷だ」
「だろうにゃ~」
 出陣してまったくの無傷でいられることのほうが少ない。重症は負わなくとも、軽症に満たない軽い傷を負うことはある。刀剣男士は人とは違う。ゆえに傷は自然に治ることはない。手入れ部屋に入らないと治らない。
 だがこの本丸の刀剣男士たちは誰がどう見ても手入れ部屋に入らねばならぬような怪我ではない限り、手入れ部屋には行かない。つまり長義もかすり傷を負っているが、手入れ部屋には行かない。
 誰もがこの程度で――というような矜持を持っているのだ。
 それは南泉とて同じこと。
 なのでかすり傷で手入れ部屋に行かないことをどうこう言ったりはしない。
 それを利用することは、言ったりはするのだけれど。
「なあオレにもっと傷付けさせてくれよ」
「その発言、かなり不穏だな」
 南泉の発言にどういう意図があるのかなんて、長義も理解している。理解していて、わざとそうやって返してきたのだろう。やられたらやり返す、なんならやられる前にやれとばかりの発言が続いたのだから。
「だが俺のほうが君のことを傷付けてしまうかもしれないけどね?」
「なら、勝負、だにゃ」
 お互いに負けるつもりなどない、勝つつもりしかない、勝負をしよう。
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散文

診断メーカーのお題で書いて、過去にSNSにあげたものに加筆修正したもの。
次回あたりに本に纏めるうちのひとつ。

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「君を守りたいんだ」

 重ねられた手のひら。指の間からしっかりと握り締められる。
 しっかり、というより、強い痛みをもってして、握り締められる。
「いてぇてよ……」
 南泉は抗議の声をあげはするが、その声は聞き入れられない。ようは軽やかに無視されている、ということ。
「長義、聞こえてんだろ」
 普段は山姥切、そう呼んでいる。だがこういうとき、南泉は彼を長義、と呼ぶ。それが特別な呼び方であることを示すために。
「聞こえてるよ、南泉……」
 また同じように、山姥切も南泉、と呼ぶ。普段のからかうような、山姥切長義しか呼ばない呼び方で呼ぶのではなく、南泉一文字の名前をしっかりと呼ぶ。
 この状態は限りなく睦まじくあることを物語っているが、場の空気は睦まじさをもってしても、居心地の悪い、微妙なものである。
「オレはいてぇって言ってるんだよ。聞こえてるなら、離せよ」
 頬をぷっくりと膨らませ、唇をつんと尖らせ、今度は要望をしっかりと伝える。
「断る」
 しかし長義は迷うことなく、即答で南泉の要望を断ち切る。
「にゃんでだよ……!」
「そんなの離したくないからに決まってるだろ」
 唇の口角をあげた、艶やかな笑みで、長義は臆面もなく言葉を紡ぐ。
「離したくないし、なにより俺は君のことを守りたいんだよ」
「お前はまたそれかよ……」
 南泉はため息混じりに加え、呆れた調子で、肩を落としながら、またか、とばかりの言葉を吐き出す。
 長義はことあるごとに、南泉を守りたいと言う。肌を重ね合わせるたび、それはもう口癖のように。
「オレはお前に守られたいなんて微塵も考えてねえ、にゃっ!」
 握り締められた手のひらを今度は南泉が強く握り締め返す。 
「猫殺しくんも、いつもこれだ……」
 長義は長義で肩をすくめ、やれやれと言わんばかりの表情を浮かべる。
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散文